アルド・コンテルノ Aldo Conterno

アルド･コンテルノさんは、バローロ最上の造り手と知られているジャコモ･コンテルノさんの次男。
元は、兄ジョバンニさんと共に、父の醸造所を継いで伝統的なバローロを造っていました。

しかし、兄弟それぞれの持つ哲学は微妙に異なり、その違いからアルド･コンテルノさんは独立します。
この決別から20年間兄弟で口を利かなかったというのは有名な話で、
それぞれの哲学へのこだわりが見て取れます。

兄ジョバンニさんは、忠実に伝統を守り続ける、とても厳しい人格の持ち主。
対して弟のアルドさんは伝統を尊重しつつ、伝統に足りない部分は
モダンな手法を取り入れるべきと考える人物でした。

モダンな手法といっても、バリックは一切使用しません。

「ワインの熟成に、木の手助けは必要ない。」

ときっぱり言い放つ彼の姿勢は、兄に負けないワイン造りへの厳しさが伺えます。

ピエモンテ州のワイン造りは他と異なり、代々家系で引き継がれてきたものです。
そこには、跡継ぎの存在が重要になってくるのですが、アルドさんは3人の息子に恵まれています。
長男、次男は醸造学校を出てエノロゴとなり、三男は会計を学び、マーケティングを担当します。

父アルドさんの厳令によって、バローロには一切手を加えることが許されませんが、
バローロの醸造には使用できない、やや若いブドウの木から得られた実を利用して、
「イル･ファボット」という、早飲みタイプの、華やかで柔らかい印象の赤ワインや、
シャルドネにバリックを利かせた「ブッシアドール」などの傑作を造り出しています。

伝統と革新を共存させる父と、モダンスタイルの子供たちによってアルド･コンテルノの進化は続いていきます。
これからどのようなワインが生まれていくのか、とても楽しみな造り手です。