ブルーノ・ジャコーザ Bruno Giacosa

アンジェロ･ガイヤさんと並び称されるバルバレスコの名手、ブルーノ･ジャコーザさんは、
自社ではブドウを栽培しない造り手です。

「ブドウを栽培しない」とういのは、意外に聞こえるかもしれません。
しかし、独特の文化を持つピエモンテ州では、古くから守られてきたスタイルなんです。

ピエモンテではブドウを栽培する農家と、ブドウを買い取り醸造する業者が別々に存在していました。
この為、「王様のワイン」といわれるバローロや、バルバレスコにおいても、
質の高いワインはなかなか生まれませんでした。

ブルーノ･ジャコーザはこの二つの仲介を長年続けてきた老舗です。
古くから仲介業を営んできた、ブルーノ･ジャコーザは優良な畑を知り尽くしており、
農家との絆も深いものがあります。

ブドウ栽培に特化した農家の中でも優良な農家からブドウを仕入れ、自然なワインにこだわった醸造をする。
素晴らしいワインを生む条件が整っています。

更に、ブルーノさんのワイン造りへのこだわりは、一般の造り手の比ではありません。
まず、モダンな手法の代表バリックについては、

「ブドウ本来の味や香りを損なう」

として、全く使用しません。
作柄の悪い年には一切瓶詰めをしないことでも有名で、
その判断基準はガイヤさんを上回る厳しさのものです。

毎日のように契約農家を訪れ、常に緊密なコミュニケーションを欠かさない。
作柄が悪く、瓶詰めを行わないことが決まった年でも、決まった畑のブドウは購入する。
このような信頼関係の上に成り立ったワイン造りを続けています。

「専門分野での懸命な努力と、人と人の絆が生み出すバルバレスコ
改めて、ワインは人が造り出しているものだと気づかせてくれる造り手です。