グラブネル Gravner

ヨスコ・グラブネルさんはイタリアの国中でバリックの名手と呼ばれる、とてもエネルギッシュな方です。

1901年から続くこのワイナリーは伝統的な手法で、デイリーワインを造る一般的なカンティーナでした。
父の造るワインに疑問を抱き続けてきた彼は、いち早くステンレスタンクを使用して醸造を進めます。
今では白ワインの一般的な手法となったステンレスタンクですが、その当時に使用している造り手はまれでした。
とてもクリーンな味わいを作るこの手法は、グラブネルの名前を有名にしますが、
彼は造れば造るほど、疑問を抱くようになりました。

「この味わいにはブドウと、この畑の力が表われていないのではないか。」

そしてグラブネルさんは、ステンレスタンクの使用をすっぱりと止め、バリックの使用を始めます。
通常バリックはワインにヴァニラの香りを付け、味わいを際立たせるために、ワインの熟成の段階で使用されます。

しかし、彼の使い方は一味違いました。
それまでとても丁寧に育ててきたブドウを絞った後、果皮とジュースを分離もせずに
どかっとバリックへと流し込み、そのまま醗酵と熟成を行います。

「バリックはワインのボディをしっかりさせるのが目的で、余計な香りは一切付けたくない。」

と、彼の言うとおり、仕上がったワインにはほとんどヴァニラの香りは付いていません。
そして、この突飛な手法で造られたワインはガンベロ・ロッソで10度も最高評価を受けます。
世界的にも彼の名前は有名になっていました。

ところが、グラブネルさんは醸造法の研究を進めるうちに

「もっと自然なワイン造りはできないものか。」

と考えるようになりました。そして、今回もすっぱりとバリックの使用を止めてしまいます。
世界で認められたワインです。簡単に捨てられるものではないはずですが、
彼の信念はそのリスクなど物ともしない位、大きく、強いものになっていました。

バリックの代わりに導入されたのは木製の醗酵槽と大樽。これは、非常に古い手法です。
大きな樽で熟成させればその分、長い年月が必要になります。
その間ワインが売れないわけで、収入もゼロです。
しかし、彼は

「現代的な手法は、体に麻薬を打つのと同じ。科学的にワインを造るものだ。
 これでは健康なワインを造ることはできない。そして、この手法で造られたワインは
 やがて、濃いだけの一つの味わいにまとまってしまう。
 世界の評価にあわせるつもりは無い。
 どんな哲学を持ってワインを造るかが大切なんだ。」

と、ストイックに自分の道を行きます。

自然にこだわる彼の畑はソルデラさんのものと同じように、草が生い茂り、周りに鳥が巣をつくり、
害虫を駆除してくれる。生態系を整え、肥料も農薬も10年以上与えていません。

ソルデラさんから「グランデ・ヴィノ・フラテッリ」と認められる彼のワインは壮絶です。
リボッラ・ジャッラという品種を使った白ワインを例に取りましょう。

黒いボトルに入れられた、そのワインをグラスに注ぐとその色は「オレンジ」。
しかも濁っていてグラスの反対側が見えません。
香りも味わいもとても複雑で、一口飲むたびに違う側面が見えてきます。
例えるなら、「ドライに仕上げたソーテルヌ」。
こんな白ワインは、他で見ることは出来ません。

頑固なまでに、夢を追い続け、哲学を貫き通す男。
グラブネルさんのワインは世界で唯一のものです。

  Gravnerのワイン情報
ワイン名ブドウ品種熟成方法
Rujno
ルーニョ
メルロ


大樽
Breg
ブレッグ
シャルドネ
ソーヴィニョン
リースリング・イタリコ
大樽
Ribolla Gravner
リボッラ・グラブネル
リボッラ・ジャッラ


大樽
Rosso Gravner
ロッソ・グラブネル
メルロ
カベルネ・ソービニョン

大樽
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